目覚めれば雪の朝である。4月も後半に入ったと言うのに、いい加減にしてほしい。庭一面の雪。
この前の日曜日に大きく開いていたチューリップが固く口を閉ざしていた。
チューリップについて書きたいことはあるんだけど、後日。昨日の続きから。
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つまりは昨日、「歌舞伎座」に行ったのだ。建て替えが決定していて、今月が最後の公演。去年の一月に始まった「歌舞伎座さよなら公演」のグランド・フィナーレ。
それに「飯田橋清貧大学歌舞伎研究会OB会」で大挙して行くというのが、創立者・A先輩の企画である。
つまり、歌舞伎座を見送り別れを告げるということ。そして歌舞伎座の新生のお祝い。
さらには大病をされた成田屋さんのお見舞いも兼ねる。復帰されてからのお見舞いも無いものだが、他に手段が無いから仕方が無い。
そんなわけで、A先輩からの召集令状を握り締めた僕は、氷雨降る中、木挽町は歌舞伎座に行ったのである。
それにしても、よく大人数のチケットが取れたなぁ。この辺の手腕が凄いのだ、A先輩は。
僕らが見る第3部は18時20分から。さすがにそれには間に合わない。僕がついたときはもう「実録先代萩」の上演中。芝居の途中で出入りするのは嫌いなので、ロビーや場内を歩き回って終わるのを待った。
確かに古いなぁ、どこもかしこも。趣はあるけど、やっぱりここらが限界だろう。惜しいけど仕方が無い。
ああ、懐かしい。3階のロビーには物故俳優の写真パネル。
僕は上の写真の黄色いラインから左の俳優の舞台をここで見ている。ああ、懐かしい。思い出すなぁ。
さて、「実録先代萩」が終わって観客がロビーにあふれかえってきたので入れ替りに客席に。僕の席は3階4列の1。
となりは4年後輩のナッシーだ。ひさしぶり。まわりを見回すと、「飯田橋清貧大学歌舞伎研究会OB会」の面々。A先輩を見つけたのでご挨拶。いい機会をいただきました。
それにしても歌舞伎座と言うのは凄い劇場だ。3階席からは花道が見えないのだ。音と空気で想像するしかない。僕は3階以外はほとんど行ったことが無いので、つまり歌舞伎座の花道はほとんど見た事が無いと言うことになる。
しかも前の席の人が身を乗り出すと舞台が半分くらい見えなくなるという不思議な構造をしている。
思わず、
「相変わらず見えにくいなぁ、歌舞伎座は」
といったら、大人なナッシーに、
「そ、そんな。チケットとるのきっと大変だったんですから!!」
とたしなめられてしまった。いや、僕がありったけの愛情を込めて言ってることはナッシーもわかってくれているのだけどね。
まもなく、開演だ。ちょっとのどが渇いたからお茶買ってるね。
ロビーに出て自販機にお金を入れる。希望の商品のボタンを押す。
出てこない・・・。あれ? しょうがない、別の商品のボタンを押す。
出てこない。じゃ、お金の返却ボタンを押す。
お金も戻ってこない。
そ、そんなぁ・・・。とそこに開演のベル。
お茶はあきらめて客席に戻った。
いよいよ開幕だ。
(明日に続く)
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