「国立訪八団」北へ(5) 歌枕「春の鮫」を訪ねて

〔5月23日の日記 その5〕

ずっと楽しみにしていた「八食センター」に行かなかったのはなぜかに。

理由はズバリ、八戸・洗心美術館の特別展「俳画・詩画新作展」における立川談志家元の俳句色紙である。


「船底をガリガリ齧る春の鮫」


である。

その解釈については昨日たっぷり書いた。


「春の鮫」が気になってしかたがない。家元が詠んだ以上、「春の鮫」はもはや歌枕である。


「春の鮫」に行きたい!!


そういうわけで「国立訪八団」の皆さんと別れ、八戸発12時19分の八戸線に乗った。ちょっとおなかは減っている。


「鮫」駅は八戸から5駅。12時41分に着いた。

駅前には数軒の商店がある。駅前の案内板に従って港に向かう。遊覧船の発着場があるらしい。すれ違う人はいない。


いい雰囲気の廃墟を発見。「八戸漁連」とある。


ほどなく発着場を発見。小ぶりな遊覧船が停泊している。


出航時間は13時00分とある。おおっ、あと5分だ、ラッキイ。

1200円払って乗船。「かっぱえびせん130円」も忘れずに。「船中の友」は、腕に包帯をした男性と東南アジア系の奥さんとかわいい赤ちゃん。それと一人旅の少年、と思ったら50代くらいの小柄な女性ツーリストだった。

この港、この遊覧船はウミネコで有名である。

多分、テレビ等でご覧になったことがあると思うけど、餌をもって船べりから手を出すとウミネコが上手に咥えて飛んでいくのだ。

おもしろい。

でもあまりに数が多いのでちょっと怖くなってもくる。


かっぱえびせんウミネコの餌。でも昼飯抜きでおなかがすいたので数本失敬。ごめんね。

それを恨まれたわけではないだろうけど、数回、ウミネコに指を齧られた。あまり痛くはなかったけど、ちょっと怖い。


ウミネコに指齧られる春の「鮫」


であった。


それにしてもおなかがすいた。



〔明日に続く〕