夏の浪速の芸尽くし(13) 同居人を訪ねてホテルへ

〔8月8日の日記 その6〕

銀の匙主人に見送られた僕たちは大通りまで出た。哲学の道の桜の生みの親ゆかりの橋本関雪記念館の前でタクシーを拾って「出町柳」駅まで。京阪の始発駅なのでゆっくり座っていかれる。即、爆睡のまま約50分で終点「淀屋橋」到着。


淀屋橋からはお馴染み地下鉄・御堂筋線で「長居」まで。有名なサッカー場があるらしい。


ここで下車。地上に出るなりちょっとびっくり。



話は7月の24日にもどる。その日の日記に、岡山の駅前で「宮本むなし」という定食屋を発見して、そのネーミングに脱力したことを書いた。


この店ね。

岡山駅。県庁所在地の駅のまん前よ。


そして長居駅である。長居駅の前にもあったの、「宮本むなし」が。岡山だけじゃあなかったのだ。


早速、携帯でググッで見たら、西日本にたくさんの店舗を持つチェーンの定食屋さんだった。システムやメニューは「やよい軒」「めしや丼」みたいな感じかな。


この珍妙な店名の由来は、社長の息子が幼児のころ、「宮本武蔵」と言えずに「宮本むなし」と言っていたことだそうである。


大事の店にそんな名前をつけちゃう社長さんのセンスにも脱帽だが、「宮本武蔵」がボキャブラリーにある剣豪な幼児にも驚きである。いや、もしかして社長さんの名前は吉岡さん? と思ったけど違った。


(これ、長居店ね)



そんなことより、長居である。なぜ長居に来たかというと訪ねるさきがあった。


義妹の同居人のところだ。義妹が旅行中なのでホテル暮らしをしているのを面会に行ったのだ。面会と言っても話をしてわかるタイプじゃないので若干の不安はあるのだが。


義妹が旅行中だとなぜ、同居人がホテル暮らしをするか不思議に思う人もあるだろう。


しかたがないのである。猫だから。



長居のペットホテルに預けている猫に面会に行ったのである。もうけっこう爺さんで、人間で言うと藤村俊二くらいの歳なんだけど元気でよかった。よく食べているらしい。ツレに抱かれて腕の中でグルングルン回転し、Tシャツを毛だらけにしていた。


ひきつづきよろしくと「フロント」のひとと「客室係」の人に挨拶して辞去した。


さぁて、次は晩飯だ。

なに?大阪らしいものを食いたい? じゃ、どうだい、どうやら大阪が本部のローカルチェーンのようだから、「宮本むなし」でサバ煮定食580円ってのは?


絶対やだ?


そうか。じゃ、また地下鉄、乗ろうか。


                       (つづく)

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