啓蟄に眼鏡なくして。そしてカール・ゴッチ


今日は二十四節気啓蟄。寒い間、土にもぐっていた虫たちが暖かさに誘われて地上に顔を出すことを言う。当然ながら春の季語。「蛇穴を出づ」も同義。



「蛇穴を出て武士(もののふ)となりにけり」



という佳句がある。当然、僕の句なのだが、「蛇穴」すなわちスネークピット。「タイガーマスクの「虎の穴」のモデルともなったイギリスのビル・ライリーのレスリングジム。日本では「蛇の穴」と訳される。かのカール・ゴッチがスネークピットの出身であることが知られている。


つまりカール・ゴッチのことを称える句なのである、「蛇穴を出て武士(もののふ)となりにけり」。


残念ながら句会には格闘技に通じた人がいなかったので一点も入らなかった。それどころか「筆下ろしの句かと思った」なんて見当違いもあって撃沈だった。



それはともかく今日は啓蟄。それにちなんで思い切って都内に出かけようと思ったところで、


「あ、眼鏡が無い」


世の中の探し物の中でもっとも見つけにくいもののひとつが眼鏡である。なにしろ見えてないんだから。



で、まだみつからない。先日新調した「ジョニーデップモデル」。


そんなわけでよく見えないんで今日はこれにて失礼。また穴にもぐります。<こしおれ>


啓蟄に 眼鏡なくして 穴ごもり