啓蟄だけど穴ごもり


啓蟄である。もちろん春の季語。


別称「蛇、穴を出る」。


以前、句会で季題が「啓蟄」だったことがある。そこで僕は、


蛇穴を出て武人となりにけり(へびあなを 出てもののふと なりにけり)


という句を出した。


蛇穴とは「スネークピット(へびのあな)」のこと。ビル・ライレーというレスラーが主宰していたジムで地獄のようなシゴキで有名だった。タイガーマスクに出てくる「虎の穴」のモデルでもある。


“神様”カール・ゴッチもここの出身。


つまりはカール・ゴッチへのオマージュ句なのだ。



そういう、意味がわかりにくい句なので点はほとんど入らなかった。「蛇穴」ときたら「ビル・ライレーのスネークピット」とピン!と来て欲しかったんだけどなぁ。


それでも点を入れてくれた人はいた。


「いやーいい句だよ。えっ?筆下ろしの句じゃないの?」


愛すべきピントハズレだったが、あの人どうしているだろう。すっかり音信不通となってしまった・・・。って、オレが句会に行かなくなっただけなんだけどね。何年かやれば自分に才能があるかないかなんてわかりすぎるほどわかるよ。


そんな啓蟄の今日も、いよいよ明後日へと迫った「杉作展」の準備。


まずは小冊子の作成。



A6判16ページ。ハガキ大の冊子にまるで米粒写経のようにびっしりと杉作さんの「思想」がつまっている。冊子タイトルは、


J's word



つまりは「Jのword(言葉)」という意味なんだけど「Jのsword」つまり「日本刀」とのダブル・ミーニングでもある。来場者だけのお土産特典。


あとは当館の座布団の写真をスタッフさんに送ったりしてた。



(なにに使うんだろう)


あ、北冬書房の高野さんに業務連絡。うちから徒歩15分の教会です。