両国といえば、我が家は江戸東京博物館でもなければ国技館でもない。ましてや両国予備校ではない。
両国といえば「大久保さんのカレー」である。うちの家族の全員が全員大久保さんのカレーの大ファンなのだ。もちろん僕も東京で5本の指に入ると思っている。両国というより本所、地名としては東駒形のカレーレストラン「カフェ・ラティーノ」 。
ダンススタジオも備えたラテン!!なカレー屋さんだ。あいにく僕はサルサを踊れない身体になってしまったが(もともと踊れない)。
大好物の「ひき肉とお豆のカレー」。いつも結局これを食べてしまう。うまい!! 死ぬほどうまい!! きてよかった。さらにいうなら、いきててよかった。
店主の大久保さんとも久闊を叙す。
傍らの飾り棚のケースにウーパールーパーのフィギュア。あ、正式名は「アホロートル」だっけ? ずいぶんと挑発的な名前である。あ、動いた!!
果たして本物であった。
お土産に5人前包んでもらう。なにしろうちの家族、僕を含む5人全員が全員大久保さんのカレーの大ファンなのだ。
「5個に小分けにしますか? まとめますか?」
と聞かれ、持ちやすいのでまとめてもらう。若干の懸念はあったのだが。
帰りはまた両国駅へ。国技館を見ると駐車場の管理小屋の住所表示に貼紙があった。
「横網」の横に平仮名で「よこあみ」、さらにはカタカナで「ヨコアミ」とある。
国技館の所在地は「横網」。「横綱」じゃない。きっと警備員さんの業務に支障が出るほど面白半分の問い合わせが多いのだろう。
「これ、なんて読むんですかぁ?」
って、言った本人は結構面白いことを言ったつもりだけど、毎日訊かれる警備員さんは死ぬほど辛い。貼紙の文字になんとなく怒りがにじみ出ているような気がする。
そんな写真を撮って歩き出したら、若いイケメン男性に話しかけられた。毎日新聞の記者さんで、大相撲名古屋場所開催決定に関する意見を問われた。
僕は世の中のすべての事象の98パーセントくらいは「どっちでもいい」とおもっているのでそう答えた、「いやな感情はない」と。
そうしたら今日の朝刊に載りましたよ。
名前と年齢つきで。
「国技館を見学に来ていた」って、見学しに来たのは江戸東京博物館なのだが。また「疑惑の残る力士についての調査をもっと時間をかけてするべき」と懸念を示した、とあるが、懸念を示したのは「20数人にも及ぶ有為の若者たちが、短期間の調査で黒判定となり一方的に断罪されたこと」のほうなんだけど・・・。ま、僕の言い方が悪かったんだろう、どっちでもいいや。
そんなことを言いながら朝カレーにしようとしたら、鍋の底にほんの少ししか残っていなかった。
ああ、やっぱり。五つに分ければ一つ残るけど、まとめたら残らないんだよな、うちの場合いつも。懸念したとおりだ。ステッキを振り回して暴れようかと思ったら、「おとうさんは昨日大久保さんの店で食べたんだからいいじゃん」と。うん、それももっともだ、一応。
梅雨入りは僕の涙雨だ、たぶん。<今日の二句>
心配が 現実となり 梅雨入りす
語られぬ 力士の涙か 走り梅雨
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