「Drifting Images 日韓交流写真展」(浅草橋の2+1ギャラリーで)

雨上がりの浅草橋へ。


この界隈の2+1軒のギャラリーを横断して「日韓交流写真展」というのが開催されている。これを見に行ったのだ。


平成23年台東区芸術文化支援制度対象企画「Drifting Images 写真による日韓交流事業」の写真展である「Drifting Images 日韓交流写真展」。


主催はキュレーション会社の「AAN(Art Autonomy Network)」


この企画の中心となるのが、先日の「BOSO TIME TUNNEL上映会」(鵜の木・Hasu no hana CAFE)でご紹介した旧知の写真家・中里和人氏。


ソウルと東京でそれぞれ行われた写真ワークショップの成果作品を展示する企画。「ASAKUSA写真観光」という浅草を舞台にポストカードを作るといういかにも台頭区なワークショップの成果作品が実にユニーク。第一会場はいかにも現代アートな感じのギャラリー「マキイマサルファインアーツ」。




第2会場は運送会社の倉庫を改装した「Art Lab AKIBA(アート・ラボ・アキバ)」。




近辺には同様のアートスペースがたくさんできていた。


中里さんの作品は近年のテーマである「R」。


では皆さん、頭の中に右カーブを思い描いてください。次に左カーブを。それを合体させてください。ゆがんで縦に伸びたサークルができるでしょ。それが「R」。


R


第3会場がルーサイトギャラリー



関連イベントの「日韓アーティストトークと江戸幻燈機による夜会」。


中里さんが、江戸時代の幻燈機を復元し、当時の町民たちが楽しんだという江戸カラクリ絵図を夜会の中で再現するというイベント。


操作するは写真家の首藤幹夫さん。


映像は東京造形大の学生さんの作品。若々しくさわやかでロマンチックな内容だった。もちろん面白かったのだけど、このぼんやりと妖しい光で月岡芳年伊藤晴雨のようなものを見てみたいと思うのは僕だけではあるまい。BGMは・・・いっそ、バッハの「マタイ受難曲」などもよかろう。


現実の事件やスキャンダルを題材にした実録ものの新作も面白かろう、連続練炭殺人事件とか「平成毒婦伝」とか。講談とコラボしたりしてね。とにかくいろんな可能性を秘めたメディアだと思う。“周回遅れのトップランナー”とでも言うべきか。これからが楽しみだ。


それに先立っては、日韓アーティスト(中里和人、栗山斉、ジンウォン・ホン、スンミン・カン)のトークを行われた。第一会場第二会場で見た作品のバックグラウンドを聞くのは貴重な機会だった。見ておいてよかった。



そして第3会場のルーサイトギャラリー




浅草橋、というより柳橋エリア。旧・市丸邸。


パンフレットには「元・芸者の市丸邸跡」となっているが、相当の売れっ子であってもただの芸者さんがこんなお屋敷を残せるものではない。


芸者から歌手になった昭和の大スター、「芸者歌手」の市丸姐さんだ。


小唄勝太郎日本橋きみ栄、美ち奴赤坂小梅神楽坂はん子神楽坂浮子豆千代らと並び、「鶯歌手」、「芸者歌手」の系譜に燦然と輝く存在。


一昨年の初夏、小魚ちゃんと市内のスナック「さわさわ」で夜中の三時までのカラオケ三昧、そのとき競って歌った「天竜下れば」「三味線ブギウギ」も市丸の曲だ。


今は日本国民の10人中7人までが(当社調査)民謡だと誤解している「ちゃっきり節」も市丸姐さんのレコードでヒットした北原白秋の作品だ(静岡鉄道のCMソング)。


まあこの程度のこと、僕の世代は小学生の頃から知っているが、近頃では、時たまある芸者さんがいる宴席でこれに話題が及んでも「?」な顔をされてしまう。


今日もキュレーターさんがちゃんと説明していたが、若い人が多かったせいか客席の反応は薄かった。ああ、昭和は遠くなった。


現地「ルーサイトギャラリー」で友人と会えるかなあと期待。写真に詳しい人なので写真音痴の僕としてはいろいろ聞こうと思っていた。



残念、会えなかった。<今日の1句>


春雨に 待ち人来たらず 今日もまた


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