「シュトルム・ウント・ドランクッ」撮影 2013年のワルシャワ労働歌
先月、当・ギャラリービブリオで「人魚の夢」展を開いてくれた山田勇男さんの新作映画「シュトルム・ウント・ドランクッ」撮影のため渋谷に行ってきた。エキストラ出演。
会場は六本木通りの「ラストワルツ」。元は戸川昌子のシャンソンバー「青い部屋」だったらしい。
クライマックスの南天堂のシーン。当時(大正時代)、白山にあった伝説の書店。と言ってもただの書店ではなくて2階がサロンになっていてアナキストやらダタイストやらのたまり場だった。
南天堂については松岡正剛氏のブログが一番わかりやすい。
でライブハウスでのロケとなった。その観客である群集のひとり。
場所がわからず路上をウロウロしていたら、プロデューサーのK子さんが声をかけてくれて先導してくれた。
「蕃茄さん、入りまーーーす」
おはよーす、おはよーす、おつかれさまっす、の声が返ってくる。いえ、動く書き割りですから。
ドレスコードは黒。大正時代のサロンというので黒スーツに蝶タイ。役作りはお忍びで来日中のルドルフ・バレンティノ(じょ、冗談ですよ)。
そしたら2013年のシーンなんだって。なーんだ。
お忍びで来日中のディカプリオに変更(じょ、冗談ですよ)。
書いちゃっていいのかどうかわからないけど映画関係者は見ていないだろうから書いちゃえ、その2013年のライブハウスが雷鳴とともに大正末期の南天堂にタイムスリップするという趣向。いや、その逆だったかもしれない。
席に着くなりチーフ助監督に「ワルシャワ労働歌は歌えますか」と聞かれる。
ああ、もちろん歌えますよ。
・・・・・歌えるわけが無い。こちとら生粋のプチブルである。
慌ててテーブルの下で携帯をピポピポやってYOUTUBEで調べた。
なんか、 「ジャイアントロボ」にそっくりだなぁ。
まあ、革命歌とか軍歌とかアニソンとかは顧客がほぼ共通だからなあ。
バンド演奏にあわせ主演の中村榮美子さんが静かに歌う。なんと言う目力。
そして林芙美子役、アジアの歌姫・白崎映美(上々颱風)さんが高らかに歌い上げる。神々しいまでのアウラ。光背が見えた。
そして少年王者舘の舞姫・夕沈さんの超絶ダンス。この人の関節・筋肉はどうなっているのか。
いやいやいいものを見せていただいた。遠くまで来た甲斐があった。
もちろんノーギャラである。前回出た「美代子阿佐ヶ谷気分」はエンドロールに名前が出るがパンフレットには名前が載らない程度の役なのに薄謝が出たのだが、先日久々に会ったプロデューサーのOさんには「あげすぎだった」と面と向かって言われた。
ただあの頃僕は会社員だった。決して無名ではない会社の管理職だった。確か拘束時間3時間ぐらいだった。時給換算するとほぼあっている。
今日は結論から言うと拘束時間は11時間だった。でも現在の僕の時給換算は10円くらいなので、ロケ弁のノリ弁(おいしかったー)もいただきすぎなくらい。
チーフ助監督さんに演技指導をうける。「ガヤガヤしてください」はなかなかむずかしい。初対面の人と小さな声で話し続けなければいけない。しかも笑顔はNG。深刻な顔で。
本番の開始は彼の、
はい皆様、もろもろ準備よろしければ、はじめまーす。
のコール。
久しぶりに会う方も多かった。同じくエキストラで同席。20年位前、ぼくがさんざんライブに聞きに行った歌手のCさんは書家になっていた。
そのころよく一緒に遊んでいた当時「ガロ」好きの変った女子大生・Mさんは本作品の衣裳担当スタッフ。
つげ忠男ファンのMさんは石井輝男監督の「無頼平野」に現場見学をかねてエキストラに行ったらその美貌を石井監督に見初められ、砂塚秀夫演じる刑事に追い詰められたコソ泥・由利徹に人質にとられる通行人の女を演じ、さらにはレビューの楽屋にいるチャイナ服の女手品師を演じた。
それ以来、ずっと映画の世界を・・・・、ということではなくて、キモノ関係の仕事をしていたので昔の好で山田監督に引っ張り込まれたらしい。
終了したのは9時半。キオスクで読売の夕刊を購入。小さいけれど載ってよかった。
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