春は曙 広東の春
ただいま帰りました。
長男・虎太郎(仮名・中三、改め高1)との二人旅。香港・広東4日間だ。
往きの機内で川島雄三の「幕末太陽伝」を見る。面白かったなぁ。いまから香港に行くというのに頭の中が、すっかり江戸モードになってしまった。
英語人向けの機内誌では「幕末太陽伝」は「Shinagawa Path」になっていた。それはいいんだけど分類欄に「115分・コメディー」となっていた。そうか、コメディーだったのか、喜劇かと思ってた。
などとどうでもいいことを考えながら中国大陸の南端に降り立った。
一方、帰りは「Ray」。レイ・チャールズの伝記映画だ。
著名ミュージシャンの伝記ものというと浅茅陽子の「美空ひばり物語」(トンコ雪村いずみが本人の役で出演している)のイメージがあって、僕はあまり好みではなかったのだけど、当蕃茄庵常連さんの戦う外資系OL・メレさんが彼女のサイトで賞賛していたので見たいと思っていた。ジャズやR&Bに関して、僕はメレさんに絶対の信頼を寄せているのだ。
いやぁ、よかった。映画そのものもいいんだけど、映画で流れるレイのナンバーで僕の中にある「レイ・チャールズが好き!」という気持ちにカチャ! スイッチが入るんだな。各座席につけられた、せいぜいA6判(ダ・カーポや噂の真相のサイズ)位の液晶テレビの画面につい集中してみてしまった。
映画の中のジェイミー・フォックス扮するレイ(芸術的にクリソツ)と一緒に身を海老反らしたりしているので、隣で「シャーク・テイル」を見ていた虎太郎に、
「父ちゃん、どうかした?」
と問われる始末。
「♪ YOUR CHEATING MY HEART」
なんぞ言いながら、扶桑の地に帰りたった。
ありゃりゃ、間の「香港・広東」の話がなかったスね。これはまたいずれ。