約束  いつか、虹の向こうへ

今日も結構、忙しかったのだけど、なんとか9時前に家にたどり着いた。何を急いだかというとまたしてもテレビである。

今宵のお目当ては「水曜ミステリー9 約束 いつか、虹の向こうへ」。主演は石田純一。そう、あの石田純一主演のハードボイルド・ミステリーである。

ストーリーは・・・・ 元刑事・尾木遼平(石田)は、傷害致死で5年の懲役を受けた。指定暴力団幹部・久保勇治と揉み合ううちに殺してしまったのだ。出所した尾木は、嘘の証言をした久保の愛人・中塚美智江を訪ねる。しかし翌朝、美智江は死体で見つかり、尾木は容疑者扱いされる。自分を陥れた数々の事件の真相を解明しようと、捜査を進める尾木。"刑務所仲間"やかつて傷害事件を起こした村下恭子、尾木に援助交際をもちかけてきた女子高生と奇妙な同居生活をしながら、警察組織を相手に尾木は独りで立ち向かう・・・・・

石田純一はデビュー作の「鉄騎兵跳んだ」(1980)も封切りで見ているし、嫌いな方じゃない(「不倫は文化」なんて生半可な学問じゃ言えないよ)。でもわざわざ仕事を捲って帰るほど好きじゃない(仕事をはしょっても帰るのは船越栄一郎里見浩太朗ぐらいかな)。

今日のドラマは原作が好きなのだ。今年度の横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞、ダブル受賞作である。

この原作は面白くてね。おもわず「書評のメルマガ」(※)で取り上げさせていただいた(クリックしてお読みいただければ幸せ)。


そして、このドラマを見て・・。原作との差異は多い。まるで別の話。7割ぐらい違う。だけどそれはOK。小説とテレビドラマが違うの当たり前だ。だけと原作に漂っていた「文学の香気」みたいなものが拡散してしまっていたのはちょっと惜しい。

それはともかく、やるじゃん、石田純一。色男ぶりをかなぐり捨ててのしょぼくれ方がいい。往年の小坂和也を思い出させる。新境地、とまでは行かないかも知れんが、こんな石田純一もまた見てみたいな。クライマックスでの平泉成との格闘シーンのヘナチョコで迫力の無いこと!! そこが逆にリアリティがあっていい。


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