青山通り、アート散歩

今日は寒いけど天気はいいのでアート散歩。たまたま気になる展覧会が重なったので、一気に回ってしまおう。同行は前回、上野美術散歩に続いて長女・花子(仮名・中3)。受験生だがたまの息抜き、って抜きっぱなしだが。

まずは麻布十番へ。シンガポール大使館近くの「Azabu Art Salon Tokyo」へ。

見に行ったのは「BAL 展 - Kitchenet - video installation 」。

BAL 展

上のDM画像ではなんだかわけがわからないと思うけど(クリックしていただければわかる)、これは凄かったなぁ。イラストの展覧会ではない。上の画像のキッチン用具たちはいわば出演者なんだよね。

ギャラリーに入るとまずあるのが木造の素朴な小屋。中からは楽しげな音楽が聞こえてくる。恐る恐る中を覗き込むとナベやピーラーやトングなどのキッチン用具たちが陽気に歌ったり踊ったりしているのだ、アニメーションでね。

説明がわかりにくかったかな。つまり実際にリアルにこしらえた小屋の中はちょっと古びた台所。その本物の台所をスクリーンにプロジェクターから映し出されたアニメーションのキッチン用具たちが活躍するの。

今まで、実写とアニメのコラボならディズニーや水谷豊のバンパイヤなどで随分見てきたけど、実際の背景とアニメーションっていうのは初めて見た。「映像インスタレーション」、または「ヴィデオインスタレーション」というジャンルだそうだ。

会場でお話をうかがうことが出来た作者のBALさんはまだお若いアーティストだ。どのくらいお若いかというと去年の春に武蔵美を卒業したばかり。これは卒業制作を再現したものだそうだ。

キッチンのほかに小屋はもう一部屋あって、そこはバスルームでスポンジやセッケンが踊っていた。

差しさわりがあってはいけないから具体的には書かないけど、BALさんは先年亡くなった天才的アーティストの娘さん。作風は全然似ていないけど、この粋な遊び心は父君譲りなのかもしれないな、などと勝手なことを思った。


続いては北青山へ。歩いていけないことは無いけど寒いので地下鉄で行った。北青山の小さな小さなギャラリー「OPA gallery・shop」で開催中の「オリジナル燐寸ラベル&マッチ箱アート展 vol.8」へ。

OPA gallery・shop

こちらは旧知のイラストレーター・山下以登さんが出展されている。上のDM画像をクリックしていただければわかるけど、この小さなギャラリーに100人以上のアーティストが参加されている。極小の小宇宙のようだった。

以登さんはレトロモダンな作品で、ちょっと1940〜50年代のSF映画のような雰囲気がカッコイイ。

また以前僕が企画した「俳画展」に来てくれた海谷泰水さんも出展されていて「手編みニットのマッチ箱」という温かそうな可愛い作品を作られていた。


トルコ料理で遅めの昼食にした後は南青山。いつもの「ビリケンギャラリー」へ。

開催中なのは「加藤休ミ・くれよん画展」。

ビリケンギャラリー

まだ若い作家なのだが、もっぱら昭和の懐かしく温かい風景を描き続けている方だ。タイトルにあるとおり「クレヨン画」なんだけど、皆さんもやったことあるでしょ、色を重ね塗りしたところを爪楊枝や竹串で引っかくと下の色が見えるという。この技法を使われてクレヨン画ながらかなり細密な表現もされている。

作品は定食屋や居酒屋の風景が結構ある。どれもいい雰囲気で「あ、この店知ってる!!」というような気がしてしまうものばかりだった。