「破天荒の浮世絵師 歌川国芳」展 -下期-(太田記念美術館)


6月25日にも行った原宿の太田記念美術館に行ったのが昨日のこと。昨日の日記に書いた「山陽堂ギャラリー」に行くのに「表参道をギャロップ」の起点はここ太田記念美術館なのだ。



25日に行った「破天荒の浮世絵師 歌川国芳」展の下期が始まったのだ。



江戸時代後期を代表する浮世絵師、歌川国芳(1797-1861)。幕末の動乱期、その閉塞感 (平成23年の日本にも通じる)を打破するような派手な武者絵や洒脱な戯画で江戸人の喝采を浴びた。決して本道ではなく長く異端としての扱いを受けてきたが、その破天荒な作品が近年再評価され、人気が高まっている。


今年は歌川国芳の没後150年。これを記念したのがこの展覧会で、上期は武者絵や妖怪画が中心だったけど、下期は「遊び心と西洋の風」と題して、滑稽画、そして西洋美術に影響を受けた作品が飾られていた。


有名な「みかけはこはいがとんだいい人だ」もあった。



これ、よく見ると半裸の男たちの集合体である。実際にボディタイツの男たちでこの絵柄通りのポーズをとって絵を再現する実験の動画が場内に流されていて、実にくだらなくてすばらしい。NHKエデュケーションの作品。思わず笑ってしまった。


で「みかけはこはいがとんだいい人だ」。僕は逆に「あたりはやわらかいが心根の冷たい人だ」とよく言われているのでいっそう興味深かった。


それとともに有名なのが「荷宝蔵壁のむだ書」。


荷宝蔵壁のむだ書


天保の改革で役者絵を禁止されたので「土蔵の壁の落書きです」と発表したのがこの作品。遊女絵が禁止されたら遊女を猫にした作品を売り出すし、本当、大した反骨精神だ。かえって睨まれそうだなぁ。


前回は土曜日で混雑してたけど、今回は平日なのでゆっくり見られた。



そして満足して空を見上げると夕立が来そうだったので表参道をギャロップで進んで(セルフイメージ)できて青山は山陽堂ギャラリーへ行き、昨日の日録に繋がるのである。



さらに山陽堂ギャラリーでお店の方に勧められて、HBギャラリーへ。3週連続。


和田誠「オスカー展」。映画をテーマにした展覧会だという。展覧会のはしごでいささか疲れてもいたが「お楽しみはこれからだ」、とばかりに駆けつけた。



ギャラリーには第一回以来のオスカー受賞作をモチーフにした作品が並べられていた。なつかしの映画をモチーフにした和田さんの絵を見て「ゴールデン洋画劇場」のオープニング・アニメーションを思い出すのは僕だけではあるまい。嗚呼、家宝にしたいような作品がたくさんある。



うちに帰るまで雨は降らなかった。助かった。<今日の一句>


夕立を 怖れて参道 小走りに


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