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夕刻、青山へ。毎度おなじみ表参道入口で創業120年の老舗、山陽堂書店さんへ。雨降りだけど地下鉄の出口から徒歩20秒なので傘いらず。
オリジナルイベントの「『本』を通して震災を語る」が目的。
震災から間もなく一年。街の書店として出来ることは何か、という模索の中で、「著者、編集者に『本』を通して震災を語ってもらう」という試み。
4回シリーズの最終回、金の星社の「心のおくりびと 東日本大震災復元納棺師」。語り手は著者のノンフィクション作家・今西乃子さん。
2011年3月11日、東日本大震災。人の最後の姿は、残された家族の今後を決める。被災地にボランティアで入り、損傷の激しい遺体を心をこめて「復元」してきた女性復元納棺師の記録を追ったドキュメント。
児童書の体裁だが、大人でも読める。むしろ大人向けか。非常に難しいテーマだが、情緒におぼれることなくリアルに、具体的に、かといって露悪にならない絶妙のバランスで描かれている。
とてもいい本だったし、今西さんのトークもよかった。やさしく「命」に寄り添いつつも自らは厳しく律する姿勢はとても説得力があった。プロジェクターを使いながらのお話もわかりやすく、あっという間の一時間だった。
遺族の心に寄り添ってつらい作業をやり遂げたこの復元納棺師の笹原留似子さんもいい仕事をされたし、それをクローズアップした今西さんも作家としていい仕事をされた。編集者もそれをサポートしていい仕事をしてこんないい本に仕上げた。山陽堂さんも「町の本屋にできること」を模索してすばらしいイベントシリーズを完遂した。それぞれがいい仕事をして、その結実に浴することができた僕は幸運だ。
模索の果てにしか光はない。帰りの井の頭線、幸いに座れたので、むさぼるように読みましたよ。<今日の一句>
悲しみを 癒して春の 燈りかな
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