山谷夏祭り2018

今日は「2018山谷夏祭り」に行ってきた。労働者の町・山谷の年に一度の「夏フェス」。いつもお世話になっている中川五郎さんが出演する。



馴染みのない町ではない。会場の玉姫公園は台東区清川2丁目。隣接する清川1丁目の靴工場「S工業」が大学時代の僕のバイト先だった。4階の作業場で僕は腕は悪いが口数の多い(最悪)仕上工だった。バイト仲間の女子高生と五反野もんじゃ焼きデートしたりしたのも懐かしくも甘酸っぱい思い出だ。


大学1年の夏休みから卒業するまで休みごとにお世話になった。4年の夏休みのバイトでの社長との会話を思い出す。真っ赤なアウディに乗りまわす容貌は宍戸錠と田中浩(腕白でもいい)と内田良平(黒龍会じゃないほう)を足して3で割ったような容貌の漢だった。


「お前、就職は決まったのか?」


いえまだ。○○社(流通)と××社(メーカー)の内定はいただいているんですが・・・。


「そうか。もしお前がオレの弟だったら××社の方を薦める。男ならモノを作れ。ただ流すんじゃなしに。それで、もしうまくいかなかったらうちに来い」


懐かしくて去年の夏祭りのとき寄ってみたがもうS工業はなかった。35年は長い。



それはともかく玉姫公園。


会場内は撮影禁止。いろんな事情を抱えてこの街にいる人もたくさんある。不用意な撮影が新たな不幸を呼ぶこともあるのだ。


祭りの最初はこの1年で亡くなった仲間の追悼式から、僧侶と神父が両方来てお互いの儀式にも参加する。物故者の一人ひとりの名前を読み上げる。神父がお経を唱え、僧侶が讃美歌312番「いつくしみふかき」を口ずさむ。とても心温まる風景だった。


僕だってこれくらいは歌える。




フリードリンクのウーロンハイで乾杯。特大のポリバケツに甲類焼酎ドボドボ、ウーロン茶ドボドボ、特大の氷塊をザッブーーン。それをひしゃくで紙コップに注いでぐびぐび。



各団体の模擬店屋台が並ぶ。じゃがバタ、やきもろこし、冷奴、ヨーグルト、焼きそば、「こづゆ(福島料理らしい)」、味噌田楽、どれもおいしい。すべて一皿50円。


2.5トントラックの荷台のステージは若手ロックバンド「蟹座」から。続いてカンカラ三線岡大介さん。唖蝉坊の反骨の演歌に現代のアレンジを加え、軽妙でありつつ骨太なステージ。



通路をはさんで隣の席、席といってもブルーシートに体育座りだけど。その席にいるお父さんがちらちらと僕のほうを見ていたかと思うと声をかけてきた。


「今日はお忍びで来たの?」


 え?


「みんなに見つかると大変なんじゃないの? 大丈夫?」


 え?


「いつもテレビで見てますよ」


 え?


誰と間違えているんだろう? 小栗旬か?  綾野剛か?  田中圭か? と思ったら、数秒後にはもう反対側のとなりのおじさんに話しかけていた。


「いつもテレビで見てますよ」



ライブのトリは中川五郎さん。


ビブリオでも歌ってくれた「ピーター・ノーマンを知っているかい」を熱唱。20分近い大曲。メキシコ五輪の表彰式で人種差別に抗議した米国選手たちに共鳴したために祖国の英雄から一転して裏切り者扱いされたオーストラリア選手・ピーターノーマンのことをうたった大叙事詩


ギャラリービブリオ 
  
ピーター・ノーマン事件の詳細は写真をクリック。↑クリック!!



あまりの熱演に弦が一本切れ二本切れ・・・。切れた弦たちがステージライトをキラキラと反射する。五郎さんの激しい動きとともに龍のように舞う。曲の終わりには龍は3頭になった。


あとで聞いたら6弦、4弦、3弦が切れたそうだ。


残りの曲は3本の弦だけで演奏。


某国首相の欺瞞に満ちたスピーチをそのまま歌にした「スポーツ・フォー・トゥモロウ」(安倍晋三作詞・中川五郎作曲)




近年、中川五郎バージョンを元ちとせもカバーした「腰まで泥まみれ」



今、僕たちは腰までだろうか、首までだろうか、それとも・・・。



その後は盆踊り大会。


盆踊りの意味は豊作を祈ったり相互コミュニケーションだったり娯楽だったり歌垣だったりといろいろある。しかし「盆」の「踊り」である。言うまでも無く「盆」とは死者の霊を慰め対話する行事だ。そのへんも山谷夏祭りが「東京盆踊りの裏聖地」と呼ばれる所以である。


一緒に輪になって踊りたいところだけど、残念ながら今の僕には耳から聴いた音楽に合わせて体を動かすという身体能力が残されていない。皆さんの踊りを輪の外から見物。


帰りは時間はかかるけど体力的に楽なルートで帰宅。


清川2丁目から浅草橋駅前まで都営バス(座れる。そして僕は無料パスを持っている)。


浅草橋から三鷹まで総武・中央線各駅停車(座れる)。


三鷹から国立まで中央線快速(座れる)。



来年も必ず行こう。



・・・もうすぐ開催・・・・・

幻の放浪芸 説経祭文があやしいカタリの手でよみがえります。演目は「信徳丸」8月18日(土)
ギャラリービブリオ 
  ↑クリック!!


ブルースハープのトッププレイヤー、松田幸一ハーモニカソロライブ 8月24日(金)
ギャラリービブリオ 
  ↑クリック!!


9月1日(土)  孤高の歌姫 YO-EN昭和歌謡スペシャルライブ
ギャラリービブリオ 
  ↑クリック!!
国立駅前の古民家ギャラリーに昭和歌謡が響く宴は9/1


中川フォークジャンボリー21 with  佐藤GWAN博 9/3
關敏 小品展〜秋〜 ←クリック!!


9月6日(木)〜17日(月)「ふつうやない! はなげばあちゃん」原画展
ギャラリービブリオ 
  ↑クリック!!


◎◎ ◎◎ ギャラリービブリオ公式サイト ◎◎ ◎◎

国立駅前。展示、ワークショップ、会議にご活用ください。レンタルスペース、貸会議室

ギャラリービブリオ 
  ↑クリック!!


・・・・・・・・・・・・・・・

ご意見、ご希望やイベント申し込みはメールで。      3078324 < /span>