映画『ディープスイーツ・シニア』上映会

日中は十分休んで(昼寝もして)、夕方から久々の国分寺。北口のライブバー「giee」で映画上映会。


僕は脳を患って以降、暗くなると眠くなる。眠くなるというより小脳のバランス機能が損壊したので身体感覚でなく視覚によってのみ体のバランスを保っている。その関係で暗くなり視認ができなくなると身体の安全を保つため、脳が「眠れ」と指令を出すのだ。ほんまかいな。


そんなわけで映画やお芝居、ライブの前は十分に休息をとる。実に厄介な体。


たっぷり休息をとって出発。国分寺北口の変容に驚愕。うわさには聞いてたけどすごいや。


今日の上映作品は山崎幹夫監督の『ディープスイーツ・シニア』。



山崎監督とは昨年の夏、西荻アケタの店」で初めてお会いした。若き日の山崎監督が撮られた浅川マキさんのコンサート記録映像の上映会で。昨日のブログでご紹介した浅川マキさんのプロデューサー・寺本幸司さんに誘われて行った。ご縁をつないでいただきありがとうございます。


この上映会の開催はフェイスブックで知った。リンクされていたトレーラーを見たらメチャかっこいいんでこれはいかなくちゃいかんと手帳に〇をした。


トレーラーはこちら。かっこいいんでぜひご覧ください。




イベントはライブ演奏から。劇伴には吉本裕美子さんのギター、「きゅうり」さんのタブラが使われている。今日は吉本さんと、「きゅうり」さんに代わって梨木千鶴さんが生演奏。


映画のストーリーはトレーラーによると、


「中年男エスタンはある日、2万年も生きているという女、ヌイに出会う。矢じりを使って過去の人間の感情を採集するヌイとエスタンの不思議な旅が始まる。」


この「中年男エスタン」を演じるのが山崎監督自身。演じるといってもほとんどナレーションだけ。時々、手が映る。顔が映るのはワンシーンだけ。言ってみれば狂言回し。人生の黄昏を迎えつつある男のモノローグは身につまされることばかり。見ているうちに「これは俺だ」と思えてくる。


この「エスタン」という名前。親にもらった名でも先祖から受け継いだ名でもない。「ヌイ」に与えられた名である。「探し求める者」の意。


何者でもない、何も持たない、寄る辺なきただの中年男が、2万年前から生き続けているという謎の女「ヌイ」にありふれた住宅街で出会い、「縄文の矢じり」をつかって「過去の人間の感情」を採集する旅に随行することになる。その不思議な出会いから不思議な別れまでを、ありふれた日常から切り取った美しい風景(曇天や雨が多い)の中で描いた抒情詩だ。



見ているうちに「エスタンは俺だ」と思ったのは今書いた通り。では「ヌイ」は…。なんだろう。「美」とか「感情」とかあるいは「愛」とか、形のないものすべてなのかもしれない。それらはきっと本作品の中に多く登場する「消失点(vanishing point)」の向こうにあるものなのだろう。


ネタバレになるから書けないけど、終盤でヌイがエスタンに伝えるメッセージ、これが胸に響いた。「エスタンは俺だ」と確信した。


「夢」の話って難しいよね。波乱万丈のどきどきする夢、感動する夢を見て、その感動を伝えようと朝食時に意気込んで話すんだけど、たいてい無反応で。そしてそのうち本人も家を出るころには忘れちゃって。でも「夢の種」は自分の体内にあるものだから同じような夢を何べんでも見る。


ヌイがエスタンに伝えたメッセージ。これもヌイがエスタンの体内に埋め込んだ種のようなもの。この先、きっと思わぬ時に「発芽」するような気がする。


46分の中編ながら見ごたえたっぷり。役者さんもいい。主演のヌイ役の大澤由理さんは凛として神秘的。立ち姿が美しい。ぜひほかの作品も見たい。「鬼」役の「うみゆし」さんもかっこいいなぁ。



いい作品に出合うことができた。



・・もうすぐ開催・・・・

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