ほんやらなまず句会 8月例会 1

国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

 毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャット・フィッシュ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。

 先日行われた8月例会の季題は「海」「夜店」「花火」「その他、夏らしいもの」。
 そこで出句した自作をご披露。


   
       とりどりにデパ地下の宴大花火

    
       なに思ふ夜店のひよこ籠の中

 
       羽織無き二人羽織の金魚釣り

    
       空にらみパナマの人の急ぎ足



介錯と感傷】
第一句   うちの職場では毎年大きな花火大会の時には、若手を中心としたメンバーで「花火鑑賞会」が行なわれる。めいめいにお酒やおつまみを持ち寄って、レジャーシートの上で繰り広げられる納涼宴会での人気はやっぱりデバ地下グルメ。名店の味を楽しみながらの花火鑑賞はまた格別のようだ。

第二句   夜店のひよこ、せつなくも愛らしい。旬日でその愛らしい姿のまま命を終えるものもあれば、逞しく成長して近隣一帯に早起きを強いるものもある。同胞と過ごす場所から、ひとり籠に入れられたひよこの先にはどんな運命が待っているのだろうか。そのビーズのような真っ黒な瞳はなにか言いたげに見える。

第三句   そうじゃないよ、もっと手首を使うんだよ。ああ、また逃げられた!もぅ! 下手糞!!!。ええぃ、ちょっと貸してみろ・・・・。と、子を連れての金魚すくいは、すぐ二人羽織になってしまうのだ。

第四句   「パナマの人」と言っても、ロナルド・レーガンの罠にはまった綿引勝彦似の人のことではない。パナマ帽(紳士用の夏帽子)をかぶった人のこと。雲行きが怪しくなった空をにらみ、「雨が降りそうだな」と足を早める人の様子。高級な帽子、濡らしたくないもんね。


朋輩たちの佳句秀句は明日、一気にご紹介。