で、船越英一郎  

で、言い忘れたが、昨日書いた土曜ワイド劇場「火災調査官・紅蓮次郎3 水が燃えるトリック 密室出火の謎!」の主演は船越英一郎である。

 どうよ?船越英一郎。僕は実はファンなのである。それを最初に言っておこう。

 この紅蓮次郎シリーズは「2時間ドラマの帝王」と異名をとる船越の初の主演シリーズであるそうな。帝王が今まで主演シリーズがなかったというのもおかしな話だ。Vシネの王者と異名をとる哀川翔にしろ竹内力にしろすべて主演だ。

 他に2時間ドラマでたくさんの主演シリーズを持つ人はいる。水谷豊とか古谷一行とか渡瀬恒彦とか。でも彼らは他のフィールドを持っているから「2時間ドラマの帝王」とは呼ばれない。なんていうと船越英一郎を悪く言ってるようにきこえるなぁ。だからファンなんだってば。

 この紅蓮次郎のキャラ設定は基本的に2枚目だ。2枚目半という説もあるが(どこに?)、まあ、「ユーモア感覚に優れた2枚目」といったところだろう。だけど顔が面白いのに加え、頭が薄くて小太りなので3枚目にぐぐっと近づいてしまうのだ。…ほんとに僕はファンなんだってば。

 どうも3枚目に見えてしょうがないのは、火サスの「小京都シリーズ」(主演は片平・女王・なぎさ)の脱力系カメラマンのイメージが強すぎるからかな。


 僕が船越英一郎を初めてテレビで見たのはもう30年も前のことだ。

 35歳以上の人は覚えてるかもしれないけど、かつて「スター千一夜」と言う番組があった。15分間の芸能インタビュー番組だ。

 その日のゲストが「『時間ですよ』でおなじみの船越英二さんファミリー」だった。

 坊主頭の英一郎少年は司会の関口宏の質問に最低限しか答えない無愛想ぶり。無愛想というよりシャイな感じだった。

「『時間ですよ』は見てますか? 」

の質問の後の一瞬の沈黙。気まずい空気が流れる。父・英二が質問を引き取り、

「見てません・・・・」

またも流れる気まずい空気。関口がすかさずフォローを入れる、

「時間が遅いものねぇ」

そのフォローに、鷹揚に軽く頷く英二。うつむいてニヤリとする英一郎。

「なぁに、ハダカが出るから見せないんだよナ」

と邪推(でもたぶん正解)するテレビの前の僕。

  
 そんなシャイな英一郎少年が俳優となってテレビに出始めたときは、ちょっとびっくりしつつも懐かしかった。

「大きくなったなあ」

  
  実は彼と僕は同じ年齢。だからというわけでもないが、ぜひこれからも2時間ドラマの帝王としてがんばってほしいのである。たぶんこれまでもかなり見ていると思うが、これからもかなりの確率で見ると思う。