甲州旅日記2 舟は食事前に乗れ

banka-an2007-08-14


【初日 その2】
予定では、昼食に「日本一高いカレー」を食べるはずだったのである。つまり富士山五合目の食堂のカレーね。ところが五合目についたときはまだ10時30分。やたら早く着いてしまったのだ。

渋滞知らずで来れたと言うのもあったが、出掛けにいつもある「あ、○○忘れた」「念のためもう一度トイレ」「誰が助手席座るかジャンケン」などのセレモニーがなく、予定通りに家を出発できたからでもあった。

いずれにせよ、昼食にはまだ早い。河口湖畔まで降りて食べることにした。

スバルラインを降りて河口湖畔の船津まで来たときには11時半。県営の無料駐車場に車を入れる。おじいさんが誘導してくれる。そして小さい声で聞いて来る。

「何人乗ってるの?」

5人だけど・・・・。

「河口湖でなにするの?」

食事して遊覧船に乗ろうと思って・・・。

「遊覧船はのろくて退屈だよ。モーターボートにしな、安くしとくから。遊覧船に5人乗ると同じくらいでモータボート貸しきれるよ」

(なんだ客引きかよ。生憎だが僕はスピードがある乗り物には興味はないぜ)いやおじさん、僕らおなかが空いたから食事してから考えますよ。

「船乗るのは飯の前の方がいいよ」


という説得力のないおじいさんの意味不明のコメントを背中で聞きながら手近な食堂で昼食。ほうとうを食す。僕の「ほうとう観」を覆す、具の貧弱なほうとうだった。

食後、遊覧船へ。僕とツレと次男・三吉(仮名・小5)はずっと上甲板にいたが、長男・虎太郎(仮名・高3)と長女・花子(仮名・中2)はとっとと冷房の効いた船室に下りてしまう。

しばらくたってなにをしているか見に行ったら、虎太郎はニンテンドーDS、花子は携帯で友達にメール。折角遊覧船に乗っているのに何やってんだとどやしつけると、二人揃って、

「だって遊覧船はのろくて退屈なんだもん」