大いなる仁術

とまぁ昨日は、「馬から落馬」だ「頭痛が痛い」だと、愚にもつかないボヤキを書いたわけだが、今日、僕は目からウロコが落ちましたよ。

日本を代表する広告代理店「電報通信社(仮名)」の広報紙「電報通信報(仮名)」の4月13日号に載っていた、村松友視さんの連載コラム「海老のよこばい」である。


先日、村松さんが新幹線に乗った時のことである。2人の若い女性が車掌さんに言ったそうである。

「空席は空いてますか?」

それに応えて車掌さん、

「すいません、空席は満席なんですよ」

正しい日本語ではない。しかしこのやりとりで、女性はたずねたいことをたずね、車掌さんはたずねられたことに答え、両者の気持ちは完璧に通い合った。正しい日本語なんてことよりも、そんな日本人独特の言葉遣いの妙こそが、大いなる仁術ではないか、と村松さんは書いているのだ。

なるほど。ぼくの拙い要約で村松さんの言わんとすることが皆様にどれだけ伝わるかは不安だけど、すっかり納得してしまったよ、僕は。そうだよなぁ、気持ちが伝わりあえばいいんだよ。やっぱり村松さんは大人だなぁ、と思ってね。

どうでも良いんだよ。「朝のカフェオレ」だの「夜のカフェオレ」だのって、小せぇ小せぇ。

そういうわけで、すっかりいい気持ちになってしまったのであります。そして、こういう大人なコラムと言うのも「大いなる仁術」だよね、と思ったのでありました。