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夕刻、勤め帰りにツレ、長女・花子(仮名・18歳)と武蔵境で待ち合わせ。
日曜日に中途半端だった買い物を済ませてしまおうと言うたくらみ。吉祥寺や立川でもいいのだけど、寒い中街を歩くのが億劫だし込んでいるのはいや。そこでワンストップで買い物ができ(大きなヨーカドーがある)、そんなには込み合わない武蔵境にしたのだ。
僕は予定通りに職場は出たのだけど、春の嵐で中央線が乱れて待ち合わせ場所に時間通りにいけそうもない。
便利な世の中になった。メールで連絡を取り合う。
「ようやく隣の三鷹まで来た」
「了解、ヨーカドーの靴売り場の前のベンチに座ってます」
「よろしく。7、8分で着くよ」
その7,8分が待てないのである、ツレと花子は。急ぎに急いで6分後に着いたが靴売り場にはおらず、財布売り場にいた。
「だって退屈で待ちきれなくて」
レディーススーツ売り場。花子、念願のスーツデビュー。
試着室で店員さんに裾詰めをしてもらう。
「お母様いかがでしょう、このくらいの丈で。あら?」
ツレの姿が消えた。さっきまでそばにいたのに。
「あー、蕃ちゃんかわりに見といて」。果たして隣の試着室のカーテンの向こうから声が聞こえてきた。
続いてバッグ売り場。
色は黒、だな。肩からも下げられるほうがいいね。A4のファイルが入れられないとね、って何でお前はマフラーを選んでるんだよ。なぁ、やっぱり軽いからナイロンがいいよね、お母さん。あれっ、いない。
和菓子のタイムセールの行列に並んでいるのだった。
あー、各員の自分勝手な行動で時間がかかってしようがない。疲れた。一休みして食事にしよう、と地下のフードコートへ。
ちょうど夕食時間で思いのほか混雑していたが、角に空席があったので荷物とコートを下ろしてキープ。ツレと花子は「ポッポ」へ。僕は「リンガーハット」へ。出来上がりを報せてくれるワイヤレスブザーを受け取り席に戻る。
それにしても派手なリュックだなあ、花子のは。いかにも頭が悪そう。親の顔が見たい。あ、俺か。やれやれ。
と長嘆息していたら、
「ちょっとお父さんどこ行ってるのよ、こっちよ」
あれ、そっちだったっけ? じゃこれは・・・。意外にも(?)利発そうな少女がサンドウィッチのトレイとともに席につくところだった。
「しっかりしてよ、こんなところではぐれないでよ、込んでるんだから」。
はい。我が家はそれぞれ行動パターンは違うが、集団行動を乱すと言うところでは共通している。
そして僕が食べた「リンガーハット」の「野菜たっぷりちゃんぽん」とツレが食べた「ポッポ」の「春キャベツの白湯ラーメン」。ほぼ同じものだった。<今日の一句>
春キャベツ いつもの勝手 気ままなり
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