そして、GIジョー。 「やぁ、君か!」

そしてGIジョーである。僕も持っていた。


GIジョーといってもイ・ビョンホンではない。アメリカ兵の人形だ。友達でも持っているのが何人かいた。男の子も人形遊びは好きなんだな。

ちなみに「GIジョー」というのは「兵隊のジョーくん」みたいな意味で、アメリカでは兵士の代名詞だそうだ。「アンクル・サム」みたいなものかな。それと「ピーピング・トム」とか。それは違うか。


みうらじゅん師も持っていたと著書「ボク宝」にある。でも気の迷いで宇宙飛行士バージョンを買ってしまったので、友達との戦争ごっこには参加できなかったとか。

「だって、お前の宇宙飛行士やん」

と。


僕のはちゃんとアメリカの陸軍兵だった。新製品の「ヒゲのGIジョー」。文字通り、立派なヒゲが植毛してあった。コマソンは今でも歌えるよ。

「ヒゲのジー・アイ・ジョー、ジー・アイ・ジョー!!」

って歌。


パッケージにはカバゴン先生こと阿部進のコラムが載っていた。

「戦争は否定しなくてはいけません。でも戦争ゴッコは健全な成長のために必要なものです」

みたいな大意だった。


「ドイツ兵ヴァージョン」もあった。ちょっと鉤鼻で頬骨が出て唇薄く目の青いドイツ顔で、ナチスの軍服を着ている。欧米では絶対売ることができない品だ。テレビCMも凄かったぞ。

「敵のドイツ兵も強そうな顔をしているぞ」

というGIジョーのナレーションが入った。「このコマーシャル、まずいんじゃないの」と父が顔を顰めたのを覚えている。


「リカちゃん電話」ならぬ「GIジョー電話」も開設されていた。ダイヤルを回すと受話器の向こうでは爆音や着弾音に続いてGIジョーの声がする。

「やぁ、君か! 俺たちは今、○○で戦闘中だ。相手は○○の○○で油断のならない敵だ。(中略)では君もがんばってくれ!!」

というような内容。最後に励ましてくれる。


僕の「ヒゲのGIジョー」は宇宙飛行士ではなく、ちゃんと兵隊さんなので戦争ゴッコには参加できた。でも僕はものを大切にしない子どもで扱いが乱暴なので、さすがに精強な「ヒゲのGIジョー」もちょっとの衝撃で首が取れるようになってしまった。

「ちょっとの衝撃」って、戦争ゴッコは衝撃の連続である。なにかというと首が落ちる。まるで佐渡ノロマ人形である。

そのたびに緊迫感が緩んで笑いが漏れてしまい、やりにくいったらありゃしない。いつしか僕もあまり誘われなくなってしまったよ。


そんなことなら宇宙飛行士でもよかったね。





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