寒いし雨降りなのでおもにうちにいた。「馬手に杖、弓手に傘」の練習もしなきゃいけないのだけどね。
手をつけなきゃいけない原稿もあるのだけど、昼間は市原悦子の「家政婦は見た」の再放送。夜は「水戸黄門」。
この二つのドラマを見てつくづく思う。バトンはどうなるのかと。
水戸黄門は初代の東野英治郎から当代の里見浩太朗まで営々とバトンをつないできた。途中の石坂浩二をどう解釈するかは評価の分かれるところだが、007におけるジョージ・レーゼンビーのように、つまり「なかったもの」と考えられているようだ(ジブリにおける「ホーホケキョ」のような?)。いやデビッド・ニープンか。「あれは特別編です」と。
で、心配なのが「家政婦」である。相変わらずお元気で若々しい市原悦子さんであるが、70代も後半である。もしものことがないとも限らない。そうなったら「家政婦」はどうなるのか。元・助さんの里見御大が黄門様になったからといって、白石まるみが後任という人事は認められない。「寅さん」のように終了するという選択もあるが、面白いシリーズだけにもったいない。
だれが適任だろうかと大きなお世話で考える。市原さんの衣鉢を継げる「特殊女優」を。
大竹しのぶ、薬師丸ひろ子、沢口靖子、小林聡美、小泉今日子・・・・。どれも帯に短し襷に長し、だ。
かと言って泉ピン子は困る。次の「鬼平」を村上弘明が演るのと甲乙つけがたいぐらい許せない(ピンちゃんも村上さんも大好きなんですけどね。特に村上さんは大学の先輩だし)。
原稿は進めなきゃいけない。かと言って「家政婦」は見たい。でもやっぱり原稿を進めなきゃいけない。
と、後ろ髪を引かれる思いで自室に戻りかけたところで、テレビの中の市原さんが「マァーー!!」と驚きの声を上げた。
いよいよ立ち去りがたくなって、リビングの戸を半開きにしてその隙間から続きを見た。
そう、「家政婦ポーズ」での鑑賞となった。そのせいかいつもよりエンディングが切なかった。
そして水戸黄門は最終回。来週からは「ハンチョウ」・・・・。
いや、それはいい。この枠は「水戸黄門を見られないという飢餓感をあおるための装置」である。ぜひのびのびとやって欲しい。<今日の一句>
春時雨 いのちのすゑの 憂ひかな
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