中村誠一・吉岡秀晃 デュオ・コンサート

そういうわけで、代々木上原ムジカーザでの中村誠一さんと吉岡秀晃さんのデュオ・コンサートの開演だ(すみません、おとといの話です)。

 今日は2部構成のコンサートで、第1部は最新アルバム「だろ!」の収録曲を中心に演奏された。

 開始早々、中村さん、吉岡さんともにノリノリ。客席も反応がいい。

 「ナカムラセンセー!」と黄色い声援が飛ぶ。

 確かに洗足学園音楽大学の教授(ジャズ学科)だから間違いではないが、「ナカムラセンセー!(黄色い声援)」ではまるで田舎の選挙みたいでおかしい(笑)。

 「JUST A GIGORO」がよかったなぁ。どこか郷愁を感じさせる音色に、ついうっとりとしてしまった。昨日、書いたようにワインを飲みながらのコンサート。アルコールを摂取すると身体中の毛穴が開いて、まるで海綿のように音楽を吸収しやすくなる。

 今回はテナー・サックスともう一本サックスを使う。Cメロディサックスという楽器で100年ほど前の楽器だそうだ。

 休憩を挟んで第2部。休憩時間に後ろのほうを見たら坂崎重盛さんの隣にはイラストレーターの田村セツコさんがおられた。団長不在のまま嵐山一家がまた一人増えた。


第2部は「ジャズ・ゲーム」という趣向だ。

 故・ジョージ川口さんが好んでやった趣向で、お客のリクエストをアトランダムに演奏し、リクエストが採用された人には賞品を出すというもの。

 へへへ、僕のリクエストが採用されたぞ。ソニー・ロリンズの「セント・トーマス」。

 実はこの「St.Thomas」は僕のテーマ曲なのだ。って僕が勝手に言ってるだけだけどね。

 何度か書いているけど僕の生家は風呂屋。で名前の「蕃茄」は「トマト」の意。つまり「銭湯のトマト」。「セントウ・トマト」で「セント・トーマス」。すみません、くだらなくて。


  途中で中村さんが、
「さあ、ここからは家族揃って歌合戦です」

と宣言。吉岡さんのご子息でベーシストのEthamさんが登場し、トリオ演奏になった。ここまでは、今までもライブハウスで見てきた(聴いてきた)。びっくりしたのがここから。

 中村さんが手招きしたら、髪の長いのかわいい女の子がステージに上がってきた。

 中村さんのお嬢さんで中村紗理さん。洗足学園音楽大学のジャズ学科でヴォーカルを専攻しているという。トリオ演奏に紗理さんのヴォーカルが加わり一曲。高音部が伸びやかで若々しい。将来が楽しみだ。

 ちなみに「紗理」というお名前はキャサリン・ヘプバーンからとった、と後でうかがった。オードリーでなくてキャサリンのところが流石だ。ちなみに、うちの長男・虎太郎の名前はジョン・トラボルタからとった(うそです)。


 あっという間の三時間だった。面白かったなぁ。

 終演後、クロークの列に並んでいたら田村セツコさんと一緒になったのでしばし雑談。

 60〜70年代に少女時代をすごした人で田村さんを知らない人はいないだろう。ちょっとレトロっぽいキュートなイラストで一世を風靡した人で現在も第一線で活躍しておられる。60〜70年代に少年時代をすごした僕でもよく知っている。ご本人もその作品からそのまま抜け出てきたような人だ。

 で、この方がお好きなのだ、ジャズが。僕が通いつめる亜樹山ロミさんのこともよく知っていらして、今度、渋谷・スペイン坂の「BABY TALK」に行きましょう、なんてことを話した。

  
  下の画像はセツコさんの最新著「少女時代によろしく」(河出書房新社・1400円)

いしかわ式