国際空港に響く雪駄のペタペタ音

今日は一日休暇をとって成田の新東京国際空港に行ってきた。近所に散歩に行くのと同じ、アロハに雪駄というスタイルで。

社会科見学ではない。長男・虎太郎(仮名・高1)の付き添いである。今日から虎太郎は学校の語学研修ツアーとやらで18日間オーストラリアに行くのだ。ホームステイで。ここ数日、スーツケースの鍵をコピーしたり、虎太郎長袖の服を買いに行ったりしていたのはそういうわけなのだ。

出かけに、一学期の終わりに借りた学校の図書館の本を2冊持っていこうとするのでそれはやめさせ、空港の書店で本を2冊買ってやった。

「好きなの選んでいいぞ」と言われて虎太郎が選んだのは「燃えよ剣(上下巻)」。別に「萌えよ」と間違えたわけではなさそうだ。かと言って司馬遼太郎を知っているかと問えば知らないと言う。なんの本だと思って買ったのだろうか。

でも旅先と言うのは感性が鋭くなっている。旅先で読む「燃えよ剣」がきっかけとなって歴史文学好きになるかもしれない。僕自身の経験を振り返ってみても、18歳の夏、台風で足止めをくらった津軽十三湖の民宿の部屋で「コメットさん」を見て以来、大場久美子好きだ(ちょっと違う?)。


書店の後は集合場所に赴き、引率の先生に身柄を引き渡し、出発は見送らずに帰ってきた。

別れがつらかったと言うわけではなく、早く帰って「ルパン3世」を見たかったのである。

それにしても成田空港は遠い。ひたすら遠い。往復するとぐったりする。自分が旅行をするときには、往きは旅への期待と高揚感で、帰りは旅の余韻と興奮で、それほど苦ではないんだけどね。


18日後の出迎えは遠慮させていただこう。勝手に帰ってくるように。

(この項つづく)