瀋陽、右往左往 嗚呼、戦犯管理所

・・・・・・5月3日(2日目)の旅日記<5>・・・・・・・

そういうわけで老朴狗肉館を通り越して、角を曲がるとちょっと大きな通りで、また別の犬肉料理店が数軒あった。チマ・チョゴリのお姐さんがニッコリ微笑んでる看板の店もある。やっぱり朝鮮系の食文化なのかもしれない。「狗肉」の文字が躍る。ここまで「狗肉」「狗肉」と言われると、「羊頭」の行方を捜したくなる。


さらにバイク屋街を抜けると前方に望楼が見えてきた。古びた門の向こうにいかめしい佇まいの建物がある。おおこれが「撫順戦犯管理所」か。ここでラストエンペラーも再教育を受けたんだなぁ。感激だなぁ。


張り切って入ろうと思ったら、門には遮断機が下りている。あれ?


あ、チケット売場がある。ここでチケットを買って、ゲートを開けてもらうんだな。


ところが、チケット売場の窓口を覗いても人はいない。あれ?



まぁいいや入っちゃおうとゲートを跨ぎかけたら奥の方からオバサンがやってきて、怖い顔をして看板を指差した。


「工事中で当分閉鎖」


というようなことが書いてあった。えー、マジかよー、せっかく来たのにー!!。



と天を仰いで嘆いていたら声をかけられた。声の方を見るといつの間にかチケット売場の窓口の中に髪の長いおじいさんが鎮座していて、手招きをしている。


あれ、もしかしたら内緒で入れてくれるのかと思って近づいたら、冊子を出してきた。


この「撫順戦犯管理所」の歴史を記した書物のようだった。写真もたくさんある。その中の写真を指差して、そして自分の顔を指差す。「私だ」、と。


どうもここの古い職員で、この本の製作スタッフでもあるようだった。


価格を見ると70元。日本円で1,100円。こちら物価で考えるとべらぼうに高い。第一、中国語読めないし。


冊子の購入は辞退して、外観の写真だけ撮って「撫順戦犯管理所」を後にした。さよなら、ラスト・エンペラー。



で、この後、失意の僕たちがどこに行ったかというと・・・・。行き先を告げた僕に向かって三吉は素っ頓狂な声を上げた、


「えー? 露天風呂でバイト!?」



続きはまた次回!!


   ↓↓ 下の写真が「撫順戦犯管理所」 ↓↓