自家薬籠中の宝石箱

情けない話だが、昨日の疲れを引きずってしまった。天候が不順なせいもあるけど外に出かける気がしない。自室にこもって「書評のメルマガ」の原稿と「なまず座 ( 不可思議見世物小屋としてのキャットフィッシュ ) 」のイベント企画書を書いていた。


「書評〜〜」の方はすでに締め切りを過ぎているからどうせやらなければいけないのだけど、「なまず座」の方は誰にも頼まれていない。まったくの手慰み。


そんな午後、自室の窓の外から「パラパラパラ」の音。カーポート(車庫)の屋根から聞こえた。


もともと車の運転は好きなほうではなかったが、現在の身体(目と脳)の状況では車の運転はとても無理。でもなんとなく踏ん切りがつかずに車を処分できずにいる。もう4ヶ月乗っていない。


宝の持ち腐れである。


もっとも20年物の国産車を「宝」というのもどうかと思うが。



その愛車「スーパーチャージャー1号(仮名)」の格納場所であるカーポートからパラパラパラと音がするのである。


霰(あられ)だった。春霰。あられといっても「ぼんち」でもなければ「亀田」でもない。細かな氷の粒だ。子供のころだったらビニール袋に拾い集めて冷凍庫に保管するところだ。もちろん使うあてなどないのだけど。


霰のおさまったところでちょうど原稿があがったので入稿して外出。あ、入稿したのは「書評〜〜」の方ね。「なまず座」の方は発表のあてはない。とりあえずまとめただけ。いずれ宝の持ち腐れでとなる。もっとも単なる僕の脳内の発酵物をプリントアウトしたものを「宝」というのもどうかと思うが。当面は必要に応じて「自家薬籠中」のものとしておこう。平たく言えば「ネタ帖」かな。


外出先は大学通りは「ポポロ(イタリア語で「大衆」でしたっけ?ガッタさん)」地下の100均。薬の仕分け用の容器を探しに行ったのだ。

幸いちょうどいいのがあったので買って帰って薬を収納開始。バラバラになったのもひとつひとつ摘まみ集めて分類した。間違えたら大変。マジで命取り。


そんなわけで収めてみたら、色とりどりで・・・・。




もっとも今の僕に言わせれば、宝石箱よりもはるかに大事なものだけど。マヒナスターズも言っている。「お金も宝もいらないわ。クスリひとつがほしいのよ」(本当は「お金も着物もいらないわ、あなた一人が〜」だからね。from「お座敷小唄」)。



今までは調剤薬局でもらった大袋にゴチャッと乱雑に入ってい間違えやしないかと不安だったのだけど、これでようやく「自家薬籠中のもの」となった。やれやれ。<こしおれ>


霊薬を 摘み集めてや 春霰