「特別展 写楽」(上野・東京国立博物館平成館)

新聞によるとこのGWは近場が大流行(おおはやり)だそうでその例として挙げられているのがパンダ人気に沸く上野。



そんなわけで午後、上野に行ってきた。あいにく動物園ではないのだけど。


パンダと並ぶ人気企画「特別展 写楽」。東京国立博物館平成館にて。



平成館は初めて。本館では「手塚治虫ブッダ」展。ぜひ「水木しげるファウスト展」もやって欲しい。


写楽についてはいまさら詳しくは述べない。写楽とは江戸時代の浮世絵師・東洲斎写楽のことである。


昔、小学館が出していた写真雑誌のことではない。もちろん落語家の浮世亭写楽 ( 現・三笑亭可楽) のことでもない。ましてや漫才の前田一球・写楽前田写楽であろうはずがない。

 
寛政年間わずか10カ月の短期間に140余点の錦絵を発表した後、忽然と姿を消した。以来200余年、数々の研究や推測や憶測がなされ、その謎や謎解きが多くの文学作品や映画や演劇の題材とされてきたが、いまだ明らかになっていない。


ちなみに、前田写楽は現在、大阪・ミナミでスナックを経営している ことが明らかになっている(要出典)。


その東洲斎写楽のほぼ全作品を世界中から集めて一堂に会したのがこの企画展だ。「役者は揃った」のキャッチコピーも心憎い。


写楽と言えば、なんと言っても役者絵である。歌舞伎についての基礎知識があるかないかで鑑賞もだいぶ違ってくると思う。歌舞伎がわからなければ上っ面しかわからない、ともいえるし、歌舞伎の知識が虚心に絵と向き合うのを邪魔する、ともいえる。難しいところ。僕にはとにかく面白かったな。歌舞伎のことも大してして知らないからね。


ところで。今、55歳から45歳くらいの健全な男子は切手を収集した経験があると思う。僕は切手を集めた経験と草野球に夢中になった経験のない男を信用しないことにしているんだが(極論よ)、写楽や他の浮世絵もほとんど切手で覚えたよね。「切手趣味週間」ね。だから「写楽」っていうと「市川蝦蔵の竹村定之進」を思い出す。

市川蝦蔵の竹村定之進
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前田写楽のことは思い出さない。


この市川蝦蔵の三升紋は当然ながら、「三代目佐野川市松祇園町の白人おなよ」の着物の柄がちゃんと市松模様なのも妙にうれしい。


それから写楽以前の浮世絵作品も多数展示してあって、写楽誕生の土壌を解析してくれているのもありがたい。


本物を見たかった喜多川歌麿の「歌撰恋之部 物思恋」を見られたのも嬉しい。きっとこれを見た「つげ者」の多くは「ギョッギョッ」とか「へやで」などと口走るだろうが止むをえまい。


歌撰恋之部 物思恋
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ちなみに僕の前世は江戸後期の小唄好きの同心だそうである。えっ? 前世などあるのかって?


前世がなかったらわたしたちはまるでゆうれいではありませんか。


しつこい? 失敬失敬。



今回は珍しくイヤホンガイドを借りた。いや、こんないい展覧会を僕だけ(ってことはないが)無料で見せてもらって申し訳ないのでね。内容に発見は少ないが語りが春風亭昇太師匠と言うご馳走。柔らかな江戸前の名調子が耳に心地よい。


かなり見応えあります。僕は3時40分に入館して、5時閉館なので最後は駆け足だったもの。2時間ぐらい欲しいかな。



会期は6月12日(日)まで。休館日は5月16日(月)23日(月)。入場料は当日一般1500円。


公式サイトは下記。


写楽展
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展覧会の後は大工事中の上野のお山を経由して「アメ横」へ。


この混雑。さすがゴールデンウィーク



原宿・竹下通りに臆した僕もアメ横なら大丈夫。理由は聞かないでくれ。


ミリタリーの聖地・中田商店でワッペンを物色。この前買った某スポーツブランドのパーカーを「謎の軍用(風)パーカー」に変身させよう、と。



<今日の二句>


謎解きも 逃げ水となり 写楽


青嵐の 上野で軍装 整へり



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