「神楽坂→国立」路線バスの旅(前編) 長すぎる路線の謎


8月も終わる。夏の終わりだ。

去年の8月は「大阪芸尽くしの旅」(←クリック!)に行った。


一昨年は次男・三吉(仮名・当時中1)と日本橋→国立、夜通し「徒歩ツアー」(←クリック!)を挙行した。


一昨々年は次男・三吉(仮名・当時小6)と国立→大月、甲州街道二泊三日徒歩ツアー(←クリック!)に行った。


で、今年である。毎日が夏休みのような身の上で夏休み旅行でもないが、何もないのも寂しい。そんな寂寥感に襲われた。


そこで以前から気になっていた疑問を解消する小旅行を行った。



昨日の話である。それは、



「神楽坂→国立、路線バスで帰れるか?」



である。電車で約一時間の「神楽坂→国立」。路線バスならどのくらいかかるか、それよりまず「行かれるか」である。


「もし電車の運行が止まったら」の仮定の訓練ではない。もしそうなったらバスなど正常に運行されるはずがない。あくまで物見遊山である。


ところがいきなりの蹉跌。


神楽坂にバスは通っていない。路地の集合体であるこの町をバスが走れるわけがない。そこで隣町の「山吹町」を基点とした。15時30分に都営バス[白61]系統に乗車。目白発の新宿西口行きである。



ぼくのいつもの通勤路を逆行する形ですすみ、黒くそびえる「国防タワー」が見えてくると市谷エリア。あれは防衛庁の施設。スカイツリーよりずっと低いけどずっと威圧感のあるデザイン。


どこのバスでもそうだが乗客は年配の人が多い。曙橋を通り新宿2丁目。厚生年金会館はどのへんにあったか。歌舞伎町の雑踏を突っ切り大ガードをくぐるともうそこは新宿駅西口。目の前に東京モードのコクーンタワーが聳え立つ。



到着は16時20分。乗車時間50分。意外とかかる。


地下道をくぐって、乗り継ぎのバス停へ。


次が飛び道具。


新宿西口発・武蔵境行きの小田急バスだ。実はこの路線の存在を知ったのが今回のツアーの発想の発端でもある。ビックカメラ前のバス停で次の発車時刻を見ると17時22分。



げっ約一時間待ち。せっかちな僕は早くも「電車で帰ろうかな」と思い始めた。でもせっかくはじめたのだから続けようねと気を取り直したが、排ガスの硫黄で気持ちが悪くなってきた。そこでちょっとエスケープ。新宿西口の駅前を歩き始めた僕の目にビビッドな看板が飛び込んできた。


「思い出横丁」



7月18日の日記で、改装の時、勢いで柱を切っちゃって店の再開ができなくなり途方にくれる居酒屋のことを書いた(←クリック!)。 居酒屋の改築を基点に、世界平和、メディアの責任までを深く考察する画期的な論考だった。


その店があるのが思い出横丁なのだ。その店はすぐに見つかった。ドキュメントで頭を抱えていたご亭主はいなかったが、その後ろで困った顔をしていた年老いたお母さんがやはり困ったような顔で店番をしていた。


番組で紹介されていた名物の「ソイ丼」を注文。



肉が高級品だった時代のタンパク源として先代が発明した料理だということだったが、要は大豆とひき肉のカレーのカレー丼。これはまずいわけがないね。中辛。


500円でボリュームたっぷり味噌汁つき。美味しかったし、店の出入りの際の、杖を突いた僕への心配りもうれしかった。今回はたまたま夕方から開いていたが基本的に夜の居酒屋なので、無期禁酒中の僕にはなかなか来る機会はないかもしれないが、また来たいと思った。ソイ丼食べたいぞ、すでに。


満腹で横丁を徘徊し再びバス停へ。新宿西口発・武蔵境行きの小田急バスはまもなく来た。



最後部。遠足バスのお調子者の指定席にポジショニング。


しかしすごい路線だなあ、新宿西口発・武蔵境行き。存在の意味がわからない。もしルナールだったら路線図を見て「バス、長すぎる」っていうね、きっと。


乗車率は7割程度。途中までは甲州街道を走行。三吉と徒歩で歩いたなつかしの道。文化学園とかスクエニショールームとかオペラシティの前を通り、大原交差点の先で井の頭通りに入る。これをまっすぐ行けば吉祥寺なのは方向音痴の僕でもわかる。


吉祥寺に着いたのは18時10分。僕の前に座っていたおじいさんが降りて最初から乗っているのはとうとう僕だけになった。


このへんから僕のテンションは下がり始めた。日が落ちて暗くなってきたのだ。車窓からの景色が楽しめない旅はテンションがあがらない。写真も撮れないし。


せっかく三鷹禅林寺の前を通ったのに暗くて写真が撮れなかった。残念。


でもここまでくると終点の武蔵境も近い。


では続きは明日!!<今日の2句>


武蔵野の 大地切り裂き バスの夏


思い出は 切なく辛く 夏の果て




・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
ご意見、ご希望は下の「コメントを書く」欄へ。内密な話はメールで。



人気ブログランキングリベンジ参加中。ぜひ1日1クリックください!!

人気ブログランキングへ