続・神楽坂で志らく師を聞く

banka-an2005-04-22

開口一番は立川らく太さん。ネタは「饅頭怖い」。まん丸な顔にまん丸な身体、ますむらひろしのイラストに出てきそうな雰囲気だ。明るい雰囲気がいい。豪放なキャラが似合っているのでこの「饅頭怖い」なんかいいな。前回の「強情灸」もよかった。

次は志らくさんで「二十四孝」。面白かったなぁ。細かいクスグリを重ねて場内を盛り上げていく。それも現代的な感覚で古臭さが全くない演出。ガサツ者の八五郎に物識りの大家さんが、中国古典の「二十四孝」を引用して親孝行をとく噺だ。

大家  「昔、中国に王祥という人がいた」

っていうと昔は、

八五郎 「ああ、お寺の?」 

と受けたものだけど、志らくさんは

八五郎 「ああ、餃子の?」

と展開する。こういうの凄く好き。サゲもちょっと変わった初めて聞くものだった。


仲入りを挟んで、二つ目の志ら乃さんで「崇徳院」。若々しく元気のいい崇徳院だ。

復活した若旦那が部屋の中ででんぐり返しをする場面では、

「5000回おめでとー」

のクスグリ。ツボにはまって一人でウケてしまった。


トリはもちろん志らくさんで「宿屋の富」。特に聞かせどころの神社の場面が見事。欲の皮が突っ張って妄想が入った連中の喧騒と狂乱がリアルに伝わってきてエキサイティングだった。

場内爆笑のうち終演。

出口のところでお客さんたちの見送りに立っていた志ら乃さんにご挨拶。先日の国立の落語会ではお世話になりました。事前に高座のチェックをしていただいたのでとても助かりました。

靴を履こうとしていたらスタッフの方がスッと靴べらを手渡してくださる。流石の気配りだ。僕のように動作の鈍い人間は凄く助かるし、出口の滞留も防げる。よし、メモメモ。

それにしても、何百人もの会場を満員に出来る人の芸を80人くらいのホールで間近に聴く、なんてのは実に贅沢じゃあありませんか?


振り返ると毘沙門様の藤棚が凄くきれいだった。