それにつけても思い出すのは自分の成人式だ。
まだ市民体育館などなく、第５小学校の体育館が会場だった。ケーキ･パーティーなんぞというものではなかった。偉い人の講演の後は普通に酒が供されていた、官によって。
僕はスーツ着たかなぁ。着なかったような気がするなぁ。たぶんジーンズに革ジャンだったような気がする(この革ジャン、まだ持っているぜ)。どこに行くのも黒のスイング・トップの革ジャンだった。うちの中でも革ジャンを着て炬燵にあたっているので、姉に疎まれていた。
そういうわけで、小学校の寒い体育館でのパーティーでビールを飲んで久々に会う旧友たちと旧交を温めたのだった。
もちろんそれでは終わらない。終わるわけがない。近年は草食系とやらの関連なのか車に興味のない若者が増えていると言う(うちの虎太郎もそうだ)。当時は男の子で車に興味がないのはどこかちょっとおかしいんじゃないかと変人扱いだった。少なくとも僕の周りでは。
で、パーティーが終わったあとは自慢の車で体育館前に集合である。ぼくもさすがにそれには参加しなかったが。それにしても１月の成人式では約４分の一は未成年である。しかも飲酒運転。今だったら市の担当者、更迭だよね。
僕は１２月生まれなのでかろうじて２０歳にはなっていたけど、免許は持っていたかな？あ、スピード違反で家裁に行ったから１９歳の時には免許、持っていたはずだな。いや、あれはバイクだったかな･･。このへん記憶あいまい。
そんなわけで、自慢の車でのドライブ組と駅前での二次会組に別れた。僕は二次会組。確か、旭通の「ロフト・ハウス」から「ロング・タイム」に流れたんじゃなかったかな。いや「チョコレート・スープ」だったかな。
夜も更けてロング・タイムが閉店時間になっちゃったあとは、界隈で唯一深夜もあいてる日野橋のデニーズまで行ったのだった。タクシーに乗る金はないから歩きで。難色を示すやつもいたが、僕が押し切った。約５キロ。
そのころには人数もだいぶ減っていて、中学時代は弱いくせに火の玉ケンカ小僧でその後、演出家になった浅沼一彦(カタギじゃないので実名)、ほか誰がいたかな。多分４，５人だったんじゃないかな。
寒かったので、道に落ちてたサッカーボールをみんなでドリブルしながら行った。そのときドリブルをする僕に浅沼が放った一言が忘れられない。
「俺は２０年生きてきたが、こいつほど運動のセンスのないやつにはあったことがない」
失礼な！！ こういう発言は３０年たっても忘れられるもんじゃないぜ。
そう、３０年。お酒が飲みにくくなったり、車に人気がなくなったりと、世の中はずいぶんと変わった。変わったが、若者の愚かさというのはあまり変わらないんじゃないかな。僕も寛容になろう。
それはそうと浅沼、どうしてる？ ヨーロッパに渡ったところまでは聞いているがその後は？ 読んでたら連絡くれ。
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