あの人と共白髪


神楽坂を歩いていて、ある理髪店の前で足を停めた。


「あ、あの人だ」


「白髪ぼかし」のポスター。



そのモデルさんに注目したのだ。


名前も知らないこの男性、約30年前、僕が就職活動していた頃の「MEN’S CLUB リクルートファッション特集」のモデルさんだった。この人をお手本に、僕はリクルートファッションを揃えた。


そのちょっとあと「フレッシュマンの冠婚葬祭」も大いに参考になった。黒の喪服にボタンダウンを組み合わせるのは真似をする勇気がなかったが。


僕が結婚する頃には高島屋のチラシで奥さん役の女性と並んで微笑んでいた。


やがて家庭ものの商品チラシのお父さん役になり、細身のスーツに身を包んだ青年の隣でゆったりしたスーツで微笑む上司役がお似合いになった。



ここ数年は、「緑効青汁」のCMの初老の夫婦の夫役を好演している。青汁の粉をなめてニコリと微笑む。




そして続けての再会がこの「白髪ぼかし」。


多分同じくらいの年齢なのだろう、僕もすっかりゴマシオ頭になった。一緒に年をとったような気がする。


こういうのを夫婦だと「共白髪」または「友白髪」と言うんだろうけど、男同士の場合はなんていうんだろう。



次の再会は「ポリデント」「ポリグリップ」、または「セレモアつくば」であろう。


それもよし。<今日の一句>


梅雨晴れ間 おまえとならば 共白髪


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