早すぎる、遅すぎる、長すぎる

僕は並ぶのが苦手である。会社員時代の社員食堂でも食べるのは列が短いところをもっぱら選んでいた。つまり「好きな食べ物は不人気メニュー」。


ところが子等はそうでもなく「コミケ」などでは徹夜で並んだりしていた。去年だか一昨年だかも開催日の12月30日に一番のグループで入場するために前の晩、29日の夜(今日だ!)に出かけて行ったりしていた。


それから、たとえば新型のi−phoneとかの発売の時など徹夜で並ぶ人がある。あとゲームソフトのドラクエとかでも。もちろんだがお店にはとうに入荷している。それでも人は整然と並びお店も解禁日の決められた時間まで売らない。高い市民モラルと健全な商道徳に支えられた風景で、並ぶの苦手な僕でも好ましく思う。


だからこういうのを見ると切なくなってしまう。



少年ジャンプが今、いくらするのかは知らないが、こういう「ズル」をすることで同業者に先んじようとする心根が悲しい。


店に出すのが早すぎるのである。同じことを電器店がやったらどうなるか。マンガ雑誌だから、低額商品だからいいということはない。


別の話。遅くなったが年賀状の準備。いろいろ書いていたら文章が長くなって写真が小さくなった。そうしたら業者さんの年賀状みたいになった。



もともとはもっとシンプルに行く予定だった。


テーブルの上にルナールの『博物誌』を置く。


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そして大きな文字で書く。



「Trop long」と。



こういうのをやりたかったんだけど、いくら探しても『博物誌』が見つからないのだ、家の中のどこかにあると思うのだけど。




余計なことだけど一応解説。


来年は巳年なんでね。小洒落た詩句がたくさん載っているルナールの『博物誌』。その中で最も人口に膾炙しているのが次のものである。



「へび=長すぎる」



それの原文が「Trop long(トロ・ロン)」なのである。


うむ、解説してしまうと実につまらん。やめておけばよかった。余計なことをした。




つまり、こういうのを「蛇足」 というのである。


本が見つからなくて助かったとでも言うべきか。アマゾンでひろった表紙画像をプリントして文庫本にかぶせるのでもよかったのだけどね。



これから僕は出かける。夜の外出が苦手な僕には珍しい。もちろんコミケに並ぶのではない。帰るのは朝か。



じゃ、行ってきまーーーーす。






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