感激! 住吉踊り

(昨日の続き)

  翌朝(8/13)、「助六の宿 貞千代」を出て、「花やしきへ」。

  でもこれはほんの時間つぶし。これからが本日の、というかこの小旅行のメインイベント。午後からは、浅草六区は「浅草演芸ホール」に行った。

  浅草演芸ホールの8月中席は特別興行。恒例の「住吉踊り」だ。

  昼の部の大喜利に、その興行に出た芸人さんが舞台に集合して揃いの浴衣で踊る、それが住吉踊りだ。

  家族はもちろん、僕も初見だ。何年も前から一度は見たいと思っていたのだが、とうとう念願がかなった感じだ。

  何回か書いたが僕の主義として「非才ならばせめて洒脱な精神を」がある。つらい人生も、洒落がわかれば大抵乗り越えられる。そんなわけで子どもたちには演芸、特に落語に触れさせたいと思っているのだ。

  場内はほぼ満員御礼。やむなくバラバラに座った。僕は2階の通路の階段に座った。経験的に知っているのだけど、浅草演芸ホールは感動的に座席が狭い。僕のような体格のものは通路のほうが楽チンだったりするのだ。

  僕らが入場したときは丁度、桂文楽さんが出ていた。先代・ペヤングのおじさんだ。

  その後もかわるがわるいろんな芸人さんが出てくる。これが寄席のいいところだ。ホール落語でじっくり鑑賞するのもいいのだけど、寄席でゆるーく聞くのものんびりしていい。

  一番の感動ものは「あしたひろし・順子」。ナマで目の前で動いている順子ひろしを見れるなんて。お正月を中心に何十回も聞いたネタなんだけど、つい爆笑してしまう。

  翁家社中大神楽は相変わらず見事。和楽さんの口上がほんわかと温かい。

  三味線漫談の三遊亭小円歌さんは色っぽいなぁ(あ、女性ですよ)。長身に短髪でタカラジェンヌみたいだ。

  トリは三遊亭金馬さんで「ちりとてちん」。


  そして、いよいよ住吉踊りだ。

  ゆっくりと幕が上がる。目に飛び込んでくるのが白足袋と真っ赤なステテコだ。その鮮やかなこと!!

  舞台には30人近い芸人さんが集合している。にぎやかで明るいことは言うまでもない。たった一人でも場内を明るく賑やかにする力を持った人が、30人近く集まっているわけだからね。

「あれれ・・・」目を凝らしてみた。

  今年の2月、「くにたち寄席」で拝見して以来ファンになってしまった江戸家まねき猫さんが出ているではないか! プログラムを見ると確かに名前がある。 嗚呼、あと30分早く入場していれば見れたのかぁ。

  さらには、7月の「女が語る星月夜」を見てファンになった神田紅さんと桂右團治さんも舞台にいる。再びプログラムを見ると確かに名前がある。 嗚呼、あと40分早く入場していれば見れたのかぁ。

  さらに目を凝らすと初音家左橋さん。この人と僕の関わりはかなり古いぞ。三度プログラムを見ると確かに名前がある。 嗚呼、あと45分早く入場していれば見れたのかぁ。花やしきで「カレーマンショー」なんて見ている場合じゃなかったなぁ。


  踊りは座長の金馬さんを中心に、伊勢音頭、奴さん、かっぽれ、深川など寄席の踊りがいくつかのチームに分かれて代わる代わる踊られる。

  途中、金馬さんとまねき猫さんのデュエットっていうの? パ・ドゥ・ドゥーっていうの?とにかく二人での踊りもあった。

  金馬さんとまねき猫さんの父上の関係を知った上で見るとなおのこと感慨深かった。

お二人を見ているとアテネの浜口父子を連想してしまったよ。

  もう、どの踊りも面白くってカッコよくって感激!!もう泣きそうである。気がつくと手拍子している自分がいた。

  エンディングでは女性陣が全員集合してラインダンス。この趣向も面白かったなぁ。

  もう、拍手のし過ぎで、本当に手のひらが痛くなってしまった。

  演芸ホールを出たら、何もしてないのにやけにお腹がすいていたので近くの「じゅらく」でクリームぜんざいを食べた。

  隣のテーブルでは「コント山口君と武田君」の武田さんがエビフライを食べながら若手に説教していた。

  浅草ならではだなぁ。