四谷で一人花見。日本で楽しむフィリピンの味?
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花見日和の今日、四谷の土堤へ。
まずはドンボスコへ。カトリック用品とカトリック書籍のお店。ここで売っている「ニックナック」が美味しいのだ。ベルギー風のお菓子で、高松の聖ドミニコ修道会が作っている。
残念、お休みだった。
よく考えたらイースター(復活祭)か。仏様のほうでは花祭り(仏生会)だけどね。
イグナチオ教会脇の土堤へ。桜満開。まさに花祭り。花見客たくさん。まるでイースター・パレード (そうか?)。
桜満開の中に怪しい一団が。
前も書いたけど、僕の「菩提寺」であるイグナチオ教会の大聖堂では各国語のミサが執り行われていて、毎日曜の昼時にはスペイン語のミサが行われ、当然、東京中のスペイン語圏の人が集まる。圧倒的に多いのがフィリピン出身の善男善女。
「門前、市を成す」という言葉がある。人が集まれば当然、行商人が集まる。いろいろなフィリピンフードの屋台がワラワラと出るのだ。そして今日は桜満開。当然花見客も見越している。
その中の一軒、串焼きの肉の屋台。サイコロステーキ大の豚肉を串刺しにしてカセットコンロで網焼きにして売っている。焼いているのはフィリピン人の太ったおばちゃん。接客とお釣りだしは人の良さそうな日本人の初老の小父さん。なんかテレビドキュメントサイズのドラマがありそう。
食欲をそそる匂い。こういうときは誘惑に抗わないほうがいい。
一本500円は安くはないがボリュームを考えると妥当か。味は・・・・フルーティな風味の甘辛のタレが塗ってあって美味しい。なんか白いご飯が欲しくなる。っつーか、これ焼肉のたれじゃないの、フツーの。豚肉を焼肉のたれで網焼き。これはまずく作るほうが難しい。
あくまで私見。本当にフィリピン料理だったらごめんね。
以前に見て驚いた光景がある。段ボール箱を持って何か売り歩いているおばさんがいて、箱を覗き込んだら中にはカセットコンロに乗った鍋に油がたぎっていて何かをフライしているの。怖くなってそばを離れたんだけどあれはなんだったんだろう。
今年はいないなあ、と思ったらいた。ワゴン車の後ろをあけて商いをしていた。今年はおばさんではなくてラメ入りの派手なトレーナーを着たおねいさん。
手に持って雑踏を売り歩くのと、ガソリンタンクの上で裸火を扱うのとどちらが危険かは僕にはわからない。東京消防庁認定の甲種防火管理者だけどこれは専門外。
これは何かと尋ねたら「バナナフライ」だった。バナナを春巻きで巻いたものをフライしていた。200円。
これは想像通りの美味しさ。ちょっと自分でも作ってみたい。柔らかいバナナと春巻のパリパリした食感が絶妙。シナモンを効かしてもいいかも。マックのホットアップルパイに少しだけ似ているかな。
車止めに腰掛けてバナナフライを食しながら物思いにふける。
謎が謎が二つ解けた。
一つ目の謎は段ボール箱の中身。バナナフライだった。
そして二つ目の謎。
「東京節」って知ってる? もともと外国の楽曲だったのを明治の演歌師(添田唖蝉坊だっけ? )が東京名所を織り込んだ戯れ歌にしたらしいんだけど。
この歌のサビのフレーズがずっと意味不明だった。
♪ ラメちゃんたらギッチョンチョンでパイのパイのパイ
♪ パリコとパナナでフライフライフライ
今日、ようやく謎が解けた。ラメ服のお姉さんからバナナのフライを買ったら春巻の皮がパリパリしてアップルパイみたいで旨かった、という今日の出来事の予言歌だったんだな、ノストラダムス級の。
えっ? 「ギッチョンチョン」はどうしたって?
花見の酔客ひしめく土堤を往く僕の杖音と言うことにしましょうや。
もちろん本当に花見に行ったのではない。花見なら自宅から半径500メートルで十分間に合っている。他に目的があって四谷に行った。続きは明日。
<今日の一句>
南国の 珍味愛でたり 復活祭
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